XMは信託保全なし？顧客資金の管理方法と安全性を徹底解説

XM（XMTrading）の信託保全について不安に感じている人は少なくありません。

先に結論をお伝えすると、XMには信託保全はなく、その代わりに「分別管理」を採用しています。

この違いをきちんと理解していないと、資金の安全性について誤解したまま判断してしまう可能性があります。

「分別管理」と「信託保全」は混同しやすいですが、実際の保護内容には大きな違いがある点には注意が必要です。

本記事では、XMでの顧客資金の管理方法と安全性、そして他の主要FX業者との資金保護体制の違いまで、ポイントごとにわかりやすく解説します。

XMは信託保全がない？分別管理との違い

XMは「信託保全」を採用していません。

ただし、「信託保全がない＝危険」という単純な話ではありません。まずは、信託保全と分別管理の意味を確認しておきましょう。

信託保全とは

信託保全とは、FX会社が顧客から預かった資金を自社のお金とは分けて、信託銀行などの第三者機関に預けて管理するという仕組みです。

もしFX会社が倒産したとしても、その資金は信託銀行が管理しているため、会社の財産とは別枠で守られ、利用者に返還されます。

FX会社と信託銀行の間で契約を結び、顧客資金が会社の資産と混ざらないよう、厳しく区別されている点が大きな特徴です。

日本の国内FX会社は、金融庁のルールで信託保全が義務付けられているため、預けた資金のほぼ全額が保護対象になります。

分別管理とは

分別管理とは、顧客から預かった資金と、会社の運営資金をきちんと分けて管理する方法です。

FX業者が自社の口座とは別に、顧客資金専用の口座を用意し、その中で資金を管理することで、会社が顧客のお金を運営費や投資に流用してしまうリスクを防ぎます。

ただし、信託保全のように第三者の信託銀行が資金を握っているわけではなく、あくまで管理するのはFX業者自身です。

そのため、倒産時に必ず返金されるとは限らない点が信託保全との大きな違いです。

XMが信託保全を導入しない理由

XMが信託保全を採用していないのは、単にコスト面だけが理由ではなく、経営方針にもとづいた判断です。

主な理由は次の2つです。

信託保全を行うには、信託銀行との契約費用や管理コスト、監査費用、場合によっては保険料など、大きなランニングコストが発生します。

このコストを負担するために、スプレッドが広がったり、ボーナス制度が縮小したりして、利用者側のメリットが減ってしまう可能性があります。

その一方で、XMはセーシェル金融庁（FSA）やモーリシャス金融庁（FSC）の認可を受けており、それぞれの規制のもとで分別管理を行っています。

顧客資金は会社の運営資金と完全に分けて管理され、定期的な監査も受けているため、透明性や安全性も確保されています。

「信託保全ではない＝即座に危険」というわけではなく、分別管理をベースに、それに近いレベルの保護を目指しているのがXMの特徴です。

XMの顧客資金の管理方法

XMが具体的にどのように顧客の資金を管理しているかを見ていきます。

分別管理の体制や保護の仕組み、監督している機関などの観点から、XMの資金管理の中身を確認していきましょう。

複数の金融ライセンスと分別管理による資金保護

XMは世界190か国以上でサービスを展開しており、グループとして複数の金融ライセンスを保有しています。

日本向けの口座は主にセーシェルFSAやモーリシャスFSCの監督下で運営されています。

グループ全体では、英国のFCAやオーストラリアのASIC、キプロスのCySECなど、信頼性の高い金融当局からも認可を受けています。

これらのライセンスでは、顧客資金の分別管理や定期的な監査が義務付けられているため、XMも国際基準に沿った管理を行っています。

顧客から預かった資金は、XMの運営資金とは別の銀行口座で保管され、XM本体の財務状況とは切り離された形で管理されています。

万が一XMが破綻した場合でも、顧客資金が債権者への支払いに使われないような仕組みが取られている点は、安心できるポイントです。

AIG保険による最大100万ドルの補償

XMは、信託保全の代わりとなる独自の資金保護策として、AIG保険を利用しています。（ただし現在は公式記載なし）

AIGはアメリカの大手保険グループで、この補償制度により、顧客1人あたり最大100万ドルまで資金が守られる仕組みです。

もしXMが経営上のトラブルで資金を返せない状況になっても、この保険が適用されれば、利用者の資金は一定額まで補償されます。

100万ドルという上限は、国内FXの信託保全と比べても十分に高い水準で、非常に手厚い内容といえるでしょう。

XMに預けた資金は安全？

XMは信託保全こそ採用していませんが、海外FXの中では比較的安全性が高い業者です。

結論として、XMに預けた資金は「十分に安全だと考えてよい」が、「絶対に大丈夫」と断言することはできません。

さらにXMでは、ゼロカットシステム（口座残高がマイナスになっても自動で0に戻す仕組み）を採用しているため、相場が急変しても追証（追加で入金する義務）は発生しません。

これは信託保全とは目的が違いますが、「顧客の損失を預けた資金の範囲内に抑える」という意味で、非常に強力な安全策です。

とはいえ、信託保全がない以上、FX会社が倒産したときに必ず全額が返ってくるとまでは言えないため、あまり大きな金額を長期間そのまま口座に置いておかない工夫も必要です。

XMは最大1,000倍のレバレッジを使えるので、そもそも少ない資金でも十分な取引が可能です。

そのメリットを活かして、入れっぱなしにせず、必要な分だけ入金・増えた分はこまめに出金するというスタイルを心がければ、リスクを抑えながら安全に取引を続けやすくなります。

XMと他社の資金保護体制を徹底比較

海外FX業者は、各国のルールによって信託保全が義務化されていないため、対応は業者ごとにバラバラです。

業者名	所在地	信託保全	分別管理	保険補償	第三者監査	補償機関
XM	海外			AIG保険（最大100万ドル）
Axiory	海外				PwC監査
TitanFX	海外					FinaCom加入
DMM FX	国内
GMOクリック証券	国内

XMのように分別管理をベースに追加の保険や監査で安全性を高めている会社もあれば、Axioryのように国内FX並みに「全額信託保全」を自主的に採用している業者もあります。

一方、国内FX業者は金融庁の規制で信託保全が必須となっているため、資金保護だけを見るなら国内業者が最も安全です。

「安全性重視なら国内FX、取引条件や攻めの運用を重視するならXMを含む海外FX」と住み分ける形が現実的です。

XMの信託保全に関するよくある質問と回答

最後に、XMの信託保全や資金管理に関して初心者が疑問に思いやすいポイントをQ&A形式でまとめます。

まとめ

XMは、国内FX業者のような「信託保全制度」は採用していませんが、分別管理にもとづく資金管理と複数ライセンスによる監督体制によって、一定以上の安全性を確保しています。

また、セーシェルFSAやモーリシャスFSCなど、複数の金融ライセンスを取得しています。

2009年の創業以来、資金トラブルや出金拒否といった大きな問題を起こしていない点も安心材料です。

もちろん、信託保全がない以上、「絶対に安全」と言い切ることはできません。

しかし適切に資金を分散し、利益が出たらこまめに出金するといった自衛策を取ることで、リスクを抑えながらXMを活用できます。

XMの資金管理の仕組みを理解したうえで、自分の許容できるリスクに合わせて取引を始めてみてはいかがでしょうか。